ZEKKOCHO密着ドキュメンタリー 企画書¶
制作:古事記project株式会社(企画・構成:村上) 映像制作:木村春香(構成・ディレクション・撮影・編集) 基準尺:45分(30〜60分で調整)/撮影2日/ナレーション:上原すず(古事記project株式会社)
1. 第一候補¶
『稼ぐ力は、渡せるか ―ブランド市場ZEKKOCHO、ある夫婦の商い―』
2. 一文で分かる企画¶
ブランド品の卸市場ZEKKOCHOを夫婦で営む福井さんの旦那さんに密着し、一つの商品が「届く・見る・直す・競りにかかる・次へ進む」までの流れを道しるべにしながら、物販には自分でお金を生み出し、夢を持てる可能性がある——そう信じる夫婦が、「自分で稼ぐ力」を家族にどう伝えてきたのか、そして今なぜ物販で稼げる人を増やそうとしているのかを追う45分のドキュメンタリー。
補足:番組内では、娘さんが子どもの頃に経験した「自分の物を売ってお金を得ること」にも焦点を当て、当時のことを親子それぞれに確かめる。そして、稼げる人が増えることがZEKKOCHOの参加者を増やし、市場そのものを育てることにつながる——理念と事業が同じ方向を向く構造を、現場から見つけて描く。
3. 企画の目的と、普通のPR動画との違い¶
目的:ZEKKOCHOを広げること。ブランド物販や古物市場に興味はあるが、仕組みも作法も分からず不安な初心者に届け、見終わったときに「この人の仕事は信用できる」「ZEKKOCHOをもっと知りたい」「ここで学んでみたい」と感じてもらうこと。
番組の見立て:この番組は、「自分で稼ぐ人を育てることと、市場を育てることは、同じ方向を向いているのではないか」という見立てを持って取材に入る。物販で稼げる人が増えれば、市場に参加する人が増え、市場そのものが育つ。福井夫婦の理念と事業がどうつながっているのかを、宣伝の言葉で断定せず、旦那さん・奥さん・娘さんへの取材と現場の事実から見つけていく。
普通のPR動画との違い: - PR動画は「安く仕入れられます」「初心者でも安心です」と言葉で説明する。この番組は説明しない。旦那さんが商品を止める場面、通す場面、迷う場面、見送る場面を撮り、信用が言葉ではなく行動から生まれる構成にする。 - PR動画は成功だけを見せる。この番組は、買わない判断、直しても採算が合わない商品、売れるまでの時間といった、商売の「うまくいかない側」も隠さない。隠さないから信用される。 - PR動画の主役は会社。この番組の主役は人。会社への興味は、人を面白いと思った結果として生まれる。
4. 出演者と役割¶
| 出演者 | 役割 |
|---|---|
| 福井さんの旦那さん(主人公) | 番組の中心。密着対象。商品をどう見て、何を判断し、何を目指しているのかを、行動と取材で追う。 |
| 福井さんの奥さん(サブ) | 夫婦で市場を営む相方として登場。役割分担、旦那さんへの意見、支える姿、二人のやり取りを見せる。物語は旦那さんへの密着を中心に進める。 |
| 娘さん(一部登場) | 競りの進行担当として、競り場面で自然に登場。加えて第6章で、子どもの頃に家庭でお金や稼ぐことをどう教わったのかを短く聞き、ご夫婦の考えが実際にどう伝わったのかを本人の言葉で示す。 |
5. 視聴者が45分見続ける理由¶
- 答えの出る謎が三つ、順番に置かれる。 - 序盤:「ブランド品がこんな値段で競られている。本物なのか?」 - 中盤:「この商品、いくらで決着するのか? そもそも競りに出るのか?」 - 終盤:「この夫婦はなぜ、自分で稼ぐ力を家族に伝え、さらに飯の種である技術を他の人へ広げようとするのか?」
- 一つの商品の行方が縦糸として通っているので、途中で切れない。「あのバッグはどうなった」が最後まで引っ張る。
- 知らない世界の裏側が見られる。古物市場は一般の人が入ったことのない場所であり、検品・真贋・リペアは普段見られない手仕事。
- 家族の商いという普遍的な人間ドラマがある。夫婦の役割分担とやり取り、そして親から子へ何が伝わっているのか。物販に興味がない人でも見られる。
6. 番組全体を貫く問い¶
「なぜこの夫婦は、物販で『自分で稼ぐ力』を家族に伝え、今度は社会へ広げようとしているのか。」
序盤では「本物を見分ける技術とはどんなものか」という問いで引っ張り、終盤でこの問いに合流させる。この問いの答えが、家庭でのお金の教育、物販で稼げる人を増やしたいという理念、そして稼げる人が増えることで市場そのものが育っていくこと——へと一本につながる構成を目指す。ただし、答えを台本に先回りして書かない。番組内の取材で、旦那さん・奥さん・娘さんの言葉と実話から引き出す。
7. 45分の章構成¶
時間は目安。素材次第で30〜60分に伸縮する。
序章「その手が止まった」 0:00〜2:00¶
- 撮るもの:本編から先出しする三つの瞬間。①競りが一番張り詰めた瞬間(音は現場音のみ)②検品中、旦那さんの手が一つの商品で止まる瞬間 ③旦那さんの言葉のひと言(座り取材から抜粋。どの言葉かは編集で決める。事前に決め打ちしない)。
- 聞くこと:なし(先出しのみ)。
- ナレーション:「毎月一度、日曜日に開かれるブランド品の市場がある。参加者の9割は、物販の未経験者だ」と最小限の事実だけ置き、タイトルへ。
- つなぎ:張り詰めた空気のまま、一転して静かな早朝の会場へ。
第1章「日曜日の朝」 2:00〜7:00¶
- 撮るもの:開場前の会場。誰もいない部屋、商品が並べられていく手元、値段や札の準備、夫婦それぞれの持ち場、参加者が一人二人と入ってくる様子。旦那さんが会場全体を見回して最終確認する姿。
- 聞くこと(準備の手を止めない範囲で立ち話):旦那さんに「朝、一番最初に確認するのは何ですか」「今日の商品で気になっているものはありますか」。奥さんに「旦那さんは朝、どんな様子ですか。分担はどう決まっているんですか」。
- ナレーション:ZEKKOCHOが2024年にできたブランド品専門の卸市場であること、夫婦で営んでいること、競り参加には古物商許可証が必要なことを短く補う。
- つなぎ:並んだ商品を映しながら「この商品たちは、どこから来たのか」。時間をさかのぼって第2章へ。
第2章「商品はどこから来るのか」 7:00〜14:00 ※1日目撮影¶
- 撮るもの:商品が届く場面。段ボールを開ける手元、一点ずつ取り出して確かめる旦那さん。ここで縦糸となる一つの商品が登場する。状態確認、真贋確認の所作(金具、縫い、刻印など「どこを見ているか」は映すが、判定手順の詳細は映さない)。通す商品と、止める商品。スマホやパソコンで実際に売れた相場を調べる画面と横顔。手数料・送料・修理費・売れるまでの時間を差し引いて「いくらまでの商品か」と線を引く手元。仕入れに出る日の玄関先や車への積み込み、「行ってきます」は撮影候補(移動同行と撮影許可は要確認。仕入れ先の一般市場内部は撮らない前提)。
- 聞くこと(検品の手が止まったタイミングで):「今、何を見ていましたか」「これは通します? 止めます? なぜですか」「見分ける目は、いつ、どうやって身につけたんですか」「最初の頃は分からなかったですか」。
- ナレーション:物販の流れ(仕入れる→確かめる→直す→売る)を一度だけ整理する。相場画面には「条件をそろえた売却済みの実例・調査日」を字幕で添える。
- つなぎ:止めた商品、あるいは直せば通る商品を手に「この傷、どうします?」。リペアの第3章へ。
第3章「直す手」 14:00〜19:00 ※1日目撮影¶
- 撮るもの:リペア・手入れの作業。道具、手元の寄り、ビフォーアフター。縦糸の商品に手入れが必要ならその作業を、不要なら別商品の作業を撮る(別商品の場合は縦糸商品と誤認させない編集にする)。作業場の空気、集中している横顔、作業中の夫婦の何気ない会話。
- 聞くこと(作業しながら):「これは直す価値がある商品ですか。直しても割に合わない商品もありますか」「リペアはどこで覚えたんですか」「失敗したことはありますか」。
- ナレーション:真贋もリペアも、生まれつきの超能力ではなく、教わり、実物に触れ、練習を重ねて身につける技術であることを、本人の答えを受けて補う。詳しいやり方は映さず「何を見る仕事か」までにとどめる。
- つなぎ:整えられた商品が箱や棚に収まる画。「そして日曜日が来る」。競りの第4章へ。
第4章「競り」 19:00〜29:00¶
- 撮るもの:下見の時間。参加者が商品を手に取り、スマホで相場を確かめる姿。娘さんが競りを進行する普段の姿。掛け声、挙がる手、決まる瞬間の音。縦糸の商品が台に上がり、決着する(または流れる)まで。初心者らしい参加者の表情、迷い、初めて手を挙げる瞬間(同意が取れた方のみ寄りで)。競りを見守る旦那さんの立ち位置と目線。奥さんの持ち場。
- 聞くこと:競りの合間か直後に旦那さんへ「今の値段、どう見ていましたか」。娘さんへ短く一問「競りを進めるとき、何に気をつけていますか」「お父さんから教わったことはありますか」(どちらか一つで良い)。
- ナレーション+画面表示:商品が出た時に「条件をそろえた売却済み相場→競りの経過→落札額」の順で示し、初めて見る人にも値段の意味が分かるようにする。落札額と相場の差を利益とは呼ばない(表示ルールは15章)。競りが分かりにくい一場面に限り、テンポの良い編集(短い実況調のナレーションなど)を隠し味程度に使ってよい。番組全体の主役にはしない。
- つなぎ:競り終了の音、ざわめきが引いていく会場。片付けの第5章へ。
第5章「市場の壁」 29:00〜34:00¶
- 撮るもの:片付け。段ボールをたたむ、商品を引き渡す、参加者を見送る夫婦。帰り道や後片付け後のお茶の時間(帰りの車内は撮影候補・要確認)。
- 聞くこと(片付けの手を動かしながら、または帰り道で):「一般の古物市場って、初めての人にはどう見えると思いますか」「隠語や暗黙の決まりごとって、実際あるんですか」「旦那さん自身、最初の頃に困ったことは?」「ZEKKOCHOでは、そこをどう変えたんですか」。奥さんにも「初心者の方から、どんなことをよく聞かれますか」。
- ナレーション:本人たちの答えを受けて、一般市場とZEKKOCHOの違いを整理する。答えの中身を先に決めない。ここは完全に取材で引き出す章であり、ナレーション原稿は取材後に書く。一般市場や他の参加者を悪者にしない言い方を守る。
- つなぎ:日が暮れた会場、または自宅の灯り。「この市場を、二人はなぜ始めたのか」。座り取材の第6章へ。
第6章「物販に夢がある、の中身 ―家族に教えたこと、広げたいこと―」 34:00〜41:00 ※1日目撮影¶
この章は、「物販に夢がある」という言葉の意味と、家族へのお金の教育、「稼げる人を増やしたい」という理念が合流する、番組の心臓部。
- 撮るもの:落ち着いた場所での座り取材。旦那さん単独をメインに、後半で夫婦二人並びを短く。加えて、娘さんへの短い取材を別枠で撮る(長尺にはしない)。表情の寄りを大事にする。
- 聞くこと(本取材の柱。答えを企画書に書かない。以下は質問のみ):
旦那さん単独—— - 「物販を始めたきっかけは何でしたか。2011年当時、どんな生活でしたか」 - 「『物販に夢がある』とおっしゃると聞きました。それは、旦那さんにとってどういう意味ですか」 - 「物販で、誰の、何が変わったのを見てきましたか。収入以外で変わったものはありますか」 - 「うまくいかなかった時期、やめようと思ったことはありますか」 - 「2017年にスクールを開き、2024年にこの市場を作った。なぜ広げたいんですか。技術は隠しておいた方が商売としては有利ではないんですか」 - 「物販で稼げる人が増えると、ZEKKOCHOという市場はどうなっていくと思いますか」 - 「ZEKKOCHOを、この先どうしたいですか」
夫婦並び—— - 「お互いを商売の相方として、どう見ていますか」「意見がぶつかるのはどんな時ですか」 - 「ご家庭では、お金や『稼ぐこと』をどう教えてきましたか」 - 「娘さんには子どもの頃、どんな経験をさせましたか。それはなぜですか」
娘さん(短い取材)—— - 「子どもの頃、家でお金や稼ぐことをどう教わりましたか」 - 「初めて自分の物を売った時のことを、覚えていますか」 - 「自分で値段を考えて売り、お金を得た経験から、何を学びましたか」 - 「その経験は、いま競りを進める仕事につながっていますか」
- ナレーション:最小限。本人たちの言葉を主役にし、沈黙や間もそのまま使う。子どもの頃のお金の教育については、事前の情報を事実として語らず、取材で本人たちが語った内容だけを扱う。
- つなぎ:将来の話を受けて、「あの商品の、その後」。第7章へ。
第7章「次の市へ」 41:00〜45:00¶
- 撮るもの:縦糸の商品のその後(A案/B案は12章)。商品撮影・出品作業の手元。次回開催へ向けた準備の一場面。最後は、市場の日の旦那さんの姿(会場を見回す、商品を手に取る、参加者と話す)で締める。
- 聞くこと:作業の手を止めた旦那さんに最後の一問。「次の日曜も、市は開きますね」程度の軽い問いで、本人の自然なひと言をもらう。
- ナレーション:商品のその後を事実だけ伝え、貫く問いへの本人たちの答え(第6章)を短く反響させて終える。
- つなぎ:エンドロールと案内(18章)へ。
8. 旦那さんの密着場面一覧¶
- 開場前、誰より早く会場を確認する姿
- 商品到着、段ボールを開ける手元
- 検品。手が止まる瞬間、通す/止めるの判断
- 真贋確認の所作(見る箇所は映す、手順の詳細は映さない)
- 売却済み相場を調べる画面と横顔
- 経費と時間を差し引いて「いくらまで」と線を引く計算
- リペア・手入れの作業
- 仕入れに出発する玄関先・車内(候補・要許可)
- 競り中の立ち位置、目線、参加者への声かけ
- 初心者の参加者に説明する場面
- 片付け、商品の引き渡し、見送り
- 座り取材での言葉と表情
- 商品撮影・出品作業
- 迷う場面、見送る場面、失敗談を語る場面(成功だけにしない)
9. 夫婦の関係が自然に見える場面一覧¶
- 開場前の役割分担(言葉にしなくても分かる動きの連携)
- 検品やリペア中の何気ない会話
- 競り中、別々の持ち場から同じ会場を回す姿
- 片付けでの掛け合い、労い
- 帰り道または後片付け後のお茶(候補・要確認)
- 座り取材の夫婦並び(第6章後半)
- 一つの商品の判断について、二人の意見が分かれる場面(起きたら必ず使う。仕込まない)
10. 娘さんの場面¶
- 競りの進行を担当する普段の姿(掛け声、テンポ、参加者とのやり取り)を第4章の柱の一つとして撮る。
- 親子三人が同じ会場で別々の持ち場に立っている引きの画を1カット押さえる。
- 競り前後の短い質問(1〜2問まで):「競りを進めるとき、何に気をつけていますか」「ご両親から教わったことはありますか」。
- 第6章で、子どもの頃のお金の教育について短い取材を行う(数分の枠。長尺の座り取材は組まない)。聞くこと:子どもの頃、家でお金や稼ぐことをどう教わったか/初めて自分の物を売った時の記憶/自分で値段を考えて売り、お金を得た経験から学んだこと/その経験と、いま競りを進める仕事とのつながり。
- このテーマを番組で扱ってよいか、親子それぞれに聞けるかは、事前に福井さんへ確認する(17章)。
- 位置付けはあくまで一部登場。競りの進行と、ご夫婦のお金の教育が実際にどう受け取られたかを本人の言葉で示す役割にとどめ、中心人物にはしない。
- 当日の競り進行の分担(奥さんと娘さんがどう分けているか)は事前に福井さんへ確認し、普段どおりの姿を撮る。
11. 取材設計:どの質問を、どこで聞くか¶
原則:座って聞くより、手が動いている場所で聞く。 本人の言葉が一番自然に出る場所に質問を置く。移動車内の撮影はすべて「候補」とし、許可が取れなければ同内容を片付け時か座り取材に振り替える。
| 質問 | 一番自然な場所 |
|---|---|
| 今、何を見ていましたか/通す? 止める? | 検品中、手が止まった瞬間 |
| 見る目はどうやって身についたか | 検品またはリペアの作業中 |
| 直しても割に合わない商品はあるか | リペア作業中 |
| 今の値段をどう見ていたか | 競りの合間・直後 |
| 一般市場の隠語・暗黙の作法/初心者が困ること | 片付け中、または帰り道(候補:車内) |
| ZEKKOCHOで何を変えたのか | 片付け中〜座り取材 |
| 物販を始めたきっかけ・当時の生活 | 座り取材 |
| 「物販に夢がある」とは何か | 座り取材(本取材の中心) |
| 物販で誰の何が変わったか・収入以外の変化 | 座り取材 |
| 失敗・やめたくなった時期 | 座り取材 |
| なぜスクールを広げたいのか。隠す方が有利では? | 座り取材(貫く問いの回収) |
| 稼げる人が増えると、市場はどうなっていくか | 座り取材 |
| ZEKKOCHOをこの先どうしたいか | 座り取材の締め |
| 夫婦としての相方評・ぶつかる時 | 座り取材の夫婦並び |
| なぜ子どもに「自分で稼ぐ経験」をさせたのか | 座り取材の夫婦並び |
| 朝一番に確認すること | 開場前の立ち話 |
| 初心者からよく聞かれること(奥さん) | 準備中または片付け中 |
| 競りで気をつけていること(娘さん) | 競り前後に短く |
| 子どもの頃、家でお金や稼ぐことをどう教わったか(娘さん) | 第6章の短い取材 |
| 初めて自分の物を売った時の記憶と、学んだこと(娘さん) | 第6章の短い取材 |
| その経験と今の競り仕事とのつながり(娘さん) | 第6章の短い取材 |
これらの答えを企画書・台本に先回りして書かない。番組の答えはすべて現場で録る。
12. 縦糸の商品:A案とB案¶
同じ商品を販売まで追えるか、金額や商品情報の公開範囲は、福井さんとの相談で決める。
A案:一つの商品を最後まで追える場合¶
入荷(開梱)→検品→(必要なら)リペア→売却済み相場の確認→競り→その後(出品・販売)まで、同一商品を追う。販売が納期に間に合わない場合は「出品まで」で本編を区切り、売れた結果は字幕または続報で伝える。売れていない時点で利益を語らない。
なお、縦糸の商品を「ZEKKOCHOの競りに出る商品」とするか「旦那さん自身が仕入れて販売まで行う商品」とするかで撮れる工程が変わるため、どちらの型が組めるかを福井さんに確認する(17章)。
B案:同じ商品を最後まで追えない場合¶
同一商品は「入荷→検品→競りの決着」までを縦糸とし、その先の工程(リペア・商品撮影・出品・販売)は別の商品で見せる。その際、画面に「別の商品です」と明示し、ナレーションでも言い分け、同一商品と誤認させる編集は一切しない。縦糸商品の結末は「競りでの決着」を番組上のゴールに設定し直す。
13. 撮影日数:2日¶
撮影は次の2日で行う。
| 日 | 内容 |
|---|---|
| 1日目(工程・取材日) | 午前:商品到着・開梱、検品・真贋確認、相場調べ、リペア、商品撮影・出品作業。作業中の立ち話取材。午後:座り取材(旦那さん単独→夫婦並び→娘さんへの短い取材)。 |
| 2日目(市場本番・日曜) | 開場前準備〜下見〜競り(娘さん進行)〜片付け〜見送りまで通しで密着。競り合間の短い取材。片付けまでの時間を保険素材の最終回収にも充てる。 |
2日で組む上での設計: - 仕入れ出発・車内・帰り道などの「候補」場面は、許可と時間が合えば撮り、難しければ同内容を片付け時・座り取材へ振り替える(11章)。 - 商品到着の画は、実際の入荷日が1日目と合わなければ割愛し、検品を工程の起点とする。到着場面の再現は行わない。 - 娘さんの取材を1日目に組めるかは事前に確認し(17章)、難しい場合は2日目の競り前後に短い取材枠を移す。
14. 絶対に必要な画と音¶
画 1. 検品で旦那さんの手が止まる瞬間 2. 通す/止めるが決まる瞬間の商品と表情 3. 売却済み相場を調べる画面(判読できる寄り・公開範囲は要確認) 4. リペアの手元のビフォーアフター 5. 娘さんが競りを進める姿 6. 縦糸商品が競り台に上がる瞬間と決着の瞬間 7. 初心者の参加者が手を挙げる(または挙げられない)瞬間 8. 夫婦が同じ空間で別々の持ち場に立つ引きの画 9. 無人の会場(朝と夜) 10. 座り取材での旦那さん・夫婦・娘さん、それぞれの表情の寄り
音 1. 競りの掛け声と決着の音(この番組の主題歌にあたる。欠けたら成立しない) 2. 旦那さんが作業中にこぼす独り言・つぶやき 3. 夫婦の何気ない会話 4. 段ボールを開ける音、商品を扱う音、リペアの作業音 5. 会場のざわめき、笑い、ため息
15. 表示・編集ルール¶
- 相場:メルカリ等の「条件(型番・状態)をそろえた売却済み実例」のみを使い、「売却済み相場・調査日」を必ず添える。出品中の希望価格は相場として使わない。
- 利益:落札額と相場の差をそのまま利益と呼ばない。手数料・送料・修理費・売れるまでの時間が別にかかることを、ナレーションか字幕で必ず一度伝える。
- 断定表現:「必ず儲かる」「絶対に見分けられる」は、出演者が口にしても本編で使わない。「誰でもすぐできる」は使ってよい。ただし、映像に映った事実から「何が」すぐできるのかが分かる使い方(例:市場への参加手続き、下見での相場の調べ方など、初心者が実際にその場でできている事柄)に限り、「誰でもすぐ必ず儲かる」という意味に聞こえるつなぎ方はしない。
- 再現:検品用サンプルや再現を使う場合は「再現」「研修用サンプル」「実際の出品物ではありません」を画面に表示し、実際の市場に偽物を仕込んだように見える編集はしない。
- 真贋:偽物と確認できた商品は、番組内で「偽物」と伝えてよい。どこを見て判断したのかも、番組として扱ってよい。ただし、出品者など個人につながる情報は一切出さない。判定手順の細部や仕入れ先の詳細までは映さず、学びの本体はスクールに残す。
- 個人情報:参加者の顔は同意者のみ寄りで使い、それ以外はぼかしまたは画角外。会場に撮影告知を掲示し、映りたくない方のエリアを設ける(方法は福井さんと相談)。落札額・商品名・出品者情報の公開範囲は事前確認(17章)に従う。
- 人の扱い:一般市場や参加者を悪者・笑いものにしない。笑いが生まれる場合も、傷つく人がいない形に限る。
- 数字の確認:相場・金額のテロップは取得日と根拠の記録を残し、公開前に福井さんの事実確認を通す。
16. どんな結果でも成立する保険¶
| 起きうること | 番組としての受け方 |
|---|---|
| 縦糸商品が競りで流れる・値がつかない | 「見送られた商品がその後どうなるか」も物販の現実として描く。見送りの判断こそ旦那さんの目利きを見せる場面になる |
| 縦糸商品の決着が地味 | 番組の柱は人物なので成立する。競りの山場は当日一番熱かった別の商品で作り、縦糸商品は「静かな決着」として事実どおり描く |
| 競り全体が静かな回になる | 検品・リペア・座り取材の比重を上げる。30分版への短縮も選択肢 |
| 販売まで追えない・売れない | B案へ移行済みなら影響なし。A案でも「出品まで」で区切り、「値下げするかどうかの判断」を物販のリアルとして使える |
| 夫婦・娘さんの取材で口数が少ない | 言葉ではなく手と行動で見せる番組設計のため、作業場面と現場音で章が成立する |
| 子どもの頃のお金の教育について、扱える範囲が限られる | 福井さんへの事前確認(17章)で扱う範囲を決め、扱えない部分には触れない。娘さんの場面は競り進行だけでも成立する |
| 候補場面(車内など)の許可が下りない | すべての質問に振り替え先(片付け・座り取材)を用意済み(11章) |
| 素材が想定より厚い/薄い | 完成尺30〜60分の幅で調整する前提を最初から共有する |
いずれの場合も、実際の競り・参加者の行動・落札結果を台本で動かすことは一切しない。
17. 事前確認リスト(誰に聞くかを明記)¶
福井さんに確認すること¶
- 撮影日程の確認:1日目(工程・取材日)と2日目(市場開催の日曜)の2日。娘さんの取材を1日目に組めるか(難しければ2日目の競り前後へ)
- 娘さんへの「子どもの頃のお金の教育」を番組で扱ってよいか。親子それぞれ(ご夫婦と娘さんご本人)に聞けるか
- 縦糸の商品をどの型で追えるか(ZEKKOCHOの競りに出る商品か、ご自身が仕入れて販売まで行う商品か)。販売まで追えるか(A案/B案の決定)
- 公開範囲:落札額、相場画面、ブランド名・商品名、参加者の顔、出品者情報
- 旦那さん・奥さん・娘さんの出演同意と、番組内での名前表記(フルネームか、名字のみか、肩書き)
- 当日の競り進行の分担(奥さん・娘さんの普段の持ち場)
- 仕入れ出発・車内・帰り道の撮影可否(候補場面の確定)
- 参加者への撮影告知の方法と、映りたくない方のエリア設定
- スクールをどの名称で、どこまで番組内に出すか。番組の最後に案内する先(公式サイト・次回開催日など)
- 競りの方式・出品数・所要時間・当日の出品順(縦糸商品の出番の把握のため)
- 検品用サンプルを使った再現場面を入れるかどうか
- 会場への固定カメラ・録音機の設置可否、会場の音響設備から音をもらえるか(木村さんの撮影設計に合わせて)
木村さんと相談すること¶
- 企画・構成へのご意見と、2日の撮影計画(縦糸商品の追い方を含む)
- 撮影日(2日)の日程調整
- 公開媒体と完成尺の方針、最終判断の進め方
- 上原すずのナレーション収録方法
- 字幕・相場表示のデザインと、表示ルール(15章)の実装
- 納期、書き出し形式、切り抜き素材の要否
18. 最後の自然な案内¶
エンディングは営業をしない。第7章の締め、次の市場へ向かう旦那さんの姿にナレーションを一言。
「市は、毎月一度、日曜日に開かれる。」
画面には次回開催日と公式サイトのみを静かに表示し、詳しい案内は概要欄(または公開媒体の説明文)に置く。番組が面白ければ、案内は押さなくても開かれる。本編中にLINE登録や講座の勧誘映像は入れない。
19. 1ページ要約¶
番組:45分基準(30〜60分調整)の密着ドキュメンタリー。ナレーションは上原すず(古事記project株式会社)。
体制:企画・構成 村上(古事記project株式会社)。映像制作 木村春香(構成・ディレクション・撮影・編集)。
主人公:ブランド卸市場ZEKKOCHOを夫婦で営む福井さんの旦那さん。奥さんがサブ。娘さんは競り進行と、子どもの頃に家庭でお金や稼ぐことをどう教わったのかを語る場面で一部登場。
一言で:一つの商品が「届く・見る・直す・競られる・次へ進む」までを道しるべに、物販で「自分で稼ぐ力」を信じ、それを家族にどう伝えてきたのか、今なぜ稼げる人を増やそうとしているのかを追う。
貫く問い:なぜこの夫婦は、物販で「自分で稼ぐ力」を家族に伝え、今度は社会へ広げようとしているのか。答えは旦那さん・奥さん・娘さんへの取材で引き出す。台本に答えは書かない。
取材で確かめるテーマ:娘さんが子どもの頃に経験した「自分の物を売ってお金を得ること」について、当時の記憶と親の考えを親子それぞれに確かめる。そして、稼げる人が増えることがZEKKOCHOの参加者を増やし、市場を育てることにつながる構造を、現場から見つける。
構成:序章(先出し2分)→市場の朝→商品の来た道(検品・相場)→リペア→競り本番→市場の壁(片付け取材)→座り取材「物販に夢がある、の中身」(家族のお金の教育と理念が合流する章)→商品のその後と次の市へ。
撮影:2日。1日目は工程・取材日(検品・真贋・リペア・相場調べ+旦那さん・夫婦・娘さんの取材)、2日目は市場本番(準備〜下見〜競り〜片付けまで通し密着)。
縦糸商品:販売まで追えればA案(同一商品完結)、追えなければB案(競り決着までを縦糸、以降の工程は別商品と明示)。
守ること:相場は売却済み実例+調査日表示。差額を利益と呼ばない。再現は「再現」「研修用サンプル」表示。「必ず儲かる」「絶対に見分けられる」は使わない。偽物は確認できた商品のみ「偽物」と伝え、個人につながる情報は出さない。競り・落札結果を台本で動かさない。参加者を笑いものにしない。顔出しは同意者のみ。
ゴール:宣伝の言葉ではなく、仕事と判断を見せた結果として「この人は信用できる。ZEKKOCHOで学んでみたい」が生まれること。
以上。